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2025年6月13日
名刺の仕上がり検証レポート
CanvaとIllustratorで仕上がりはどう変わる?

今や誰でも簡単にデザインできるツール「Canva」。
一方、デザイナー御用達の「Adobe Illustrator」も依然として印刷業界の標準です。
「どちらのツールで印刷データを作ればいいの?」 そんな疑問に印刷会社の視点からお答えします。
この記事では、CanvaとIllustratorの基本的な違いから、カラーモードの注意点、実際の印刷比較までご紹介。
用途や目的に応じた選択ができるよう、ポイントをわかりやすく解説します。
▪️CanvaとIllustratorの違いは?
項目 | Canva | Illustrator |
操作性 | 初心者向け・直感的 | プロ仕様・高度な編集が可能 |
コスト | 基本無料(有料機能あり) | 月額制 |
データ作成 | PDFのみ | AI / PDF / EPSなど多様 |
カラーモード | 主にRGB(有料でCMYK可) | CMYK対応 |
印刷設定 | 制限あり | トンボ・塗り足しなど細かく調整可 |
✅ Canvaは初めての方でも操作しやすく、シンプルな印刷物におすすめ。
✅ Illustratorは高品質な仕上がりを求める方、加工が必要な印刷物に最適です。
※Canvaにはレイヤー機能がないため、箔押しやエンボスなどの加工商品には対応しておりません。
▪️印刷の落とし穴?カラーモードの違いに注意
Canva
Canvaでは主にRGBカラー(Web表示向け)でのデザインになります。
RGBは、光の三原色(赤・緑・青)を組み合わせて色を表現する方法で、
パソコンやスマートフォンなどの画面表示に最適化されています。
有料プランでCMYKカラーの設定が可能ですが、現時点では出力時にRGBと認識されてしまうようです。
📌 すべての印刷商品はCMYKで印刷されるため、RGBで作成したデータな色味に差異が生じる可能性があります。
Illustrator
Illustratorは、RGB・CMYKどちらのカラーモードにも対応しています。
印刷に使用されるインキはCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色で構成されており、
印刷物を制作する際にはCMYKカラーモードでのデータ作成が基本となります。
IllustratorではこのCMYKに最適化されたデータ作成が可能で、色味をパーセンテージで細かく指定できるため、
印刷時の色の再現性が非常に高いのが特長です。
例えば、「この赤をもう少しだけ暗くしたい」など、微細な色調整も可能。
画面上の色と実際の印刷の色のギャップを最小限に抑えられるため、
ブランドカラーやイメージ通りの仕上がりを求める方には最適です。
📌 Illustratorで印刷物を作成する際は、ドキュメント作成時に「CMYKカラーモード」を選択しましょう。
▪️実際に印刷して比較してみた!
では実際に、同じデザインをCanvaとIllustratorそれそぞれで作成し、印刷して比較してみました。
下の写真では左側がCanvaデータ、右側が Illustratorのデータになります。

一見すると、どちらも美しく仕上がっていますが、よく見るといくつかの違いが見えてきます。
まず、全体的な色味に注目すると、
Canvaの方はやや赤みが強く、Illustratorの方は少しくすんだような色合いで表現されているのが分かります。
これは、カラーモード(RGBとCMYK)による色再現の幅の違いが影響しています。

また、オレンジと黄色の境界部分にもご注目ください。
Canvaデータでは、境界がくっきりと表示されている箇所が多く見受けられます。
一方で、Illustratorデータでは、境界がなだらかにぼかされており、自然なグラデーションになっています。
さらに、文字の濃さにも違いがあります。
細かな差ではありますが、Canvaデータの方がやや濃く印刷されており、視認性が高く感じられる場合があります。
▪️データ作成時の注意点
Canvaを使用する場合
- トンボ(トリムマーク)がない → 塗り足しの調整が必要
- レイヤー機能がない → 加工商品に非対応
- PDFフラット化で文字化けのリスクを軽減
- 画像やロゴの解像度に注意
- 有料版でCMYKモードを使用できるが、RGB変換の影響あり
- 保存形式はPDFのみ
Illustratorを使用する場合
- メガプリント提供テンプレート利用可能 → トンボや塗り足しも設定済み
- 細かい設定が必要(※テンプレートを使用しない場合)
- 加工をご希望の場合、印刷データとは別途加工データの作成が必要
- アウトライン化で文字化けを防ぐ
- CMYK設計で幅広い色味を表現
- 保存形式:AI / PDF / EPSなど対応
▪️結論:どちらを選ぶべき?
ソフト | こんな方におすすめ |
Canva | 初心者向け|印刷のみ希望|簡易デザイン |
Illustrator | デザイナー向け|加工あり|色味やデザインにこだわる方 |
印刷の目的や予算によって、最適なツールは異なります。
Canvaでも印刷は可能ですが、色味や加工の再現性まで求める場合は、 Illustratorが確実です。
📌 Canvaで作成されたRGBデータをもとにした印刷では、色味に若干の差異が出る場合があります。
RGBデータや画像データの場合、色味の違いによる再印刷や返金はお受けしておりません。予めご了承ください。
▪️印刷をもっと身近に、失敗なく。
印刷にベストなツールは、目的や環境によって異なります。
Canvaでも十分に美しい印刷物を作成することはできますが、
印刷物の品質をより高く求めるのであれば、 Illustratorがおすすめです。
どちらのツールを選択される場合でも、データ作成前に印刷会社のガイドラインを確認し、
不明な点があれば事前にご相談いただくことをおすすめします。
適切な準備により、データ不備を大幅に減らし、ストレスフリーで理想的な印刷物を実現できます。
ぜひ、目的に合わせてベストなツールを選んでください。